税理士試験に五科目合格している現役税理士が自身の経験を踏まえ税理士試験の戦略的な科目選択の方法についてまとめてみました。各受験科目の特徴や早期合格のコツなども大公開してますのでぜひ参考にしてみてください。
税理士試験の特徴 - 科目選択制
税理士試験は科目選択制となっています。科目選択制とは、全11科目の中から受験生が受験する科目を自由に選択することができるという制度です。そして累積して5科目に合格した時点で税理士試験合格となります。
したがって、計算が得意な方は計算の比重の重い科目、理論暗記の得意な方は理論の非常の重い科目を選択するなどして得意分野を活かすことで戦略的に有利に税理士試験合格を目指すことができます。
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税理士試験の特徴 - 科目合格制
また税理士試験は科目合格制となっています。科目合格制とは科目ごとに受験するこができて合格科目は一生涯有効というものです。
したがって社会人の方であっても毎年1科目ずつ受験して何年かかけて5科目合格を目指す!という計画のもと受験をすることが可能で、実際多くの受験生がこの科目合格制という特徴を利用して税理士試験の受験にチャレンジしています。社会人受験生は多いです。
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税理士試験の受験科目
税理士試験は受験生が自由に科目選択することができる科目選択制となっていますが、全11科目のうち簿記論と財務諸表論は必ず選択しなければならない必須科目、法人税法と所得税法はどちらか一つは必ず選択しなければならない選択必須科目となっています。あと消費税法と酒税法、事業税と住民税はいずれか一方のみしか選択することができません。
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税理士試験の必要学習時間
それぞれの受験科目の最低必要学習時間の参考としては次のとおりです。
科目名 |
科目選択 |
理論:計算 |
標準学習時間 |
簿記論 |
必須 |
0:100 |
450h |
財務諸表論 |
必須 |
50:50 |
450h |
法人税法 |
選択必須 |
50:50 |
600h |
所得税法 |
選択必須 |
50:50 |
600h |
消費税法 |
- |
50:50 |
450h |
相続税法 |
- |
50:50 |
450h |
住民税 |
- |
50:50 |
200h |
事業税 |
- |
30:70 |
200h |
固定資産税 |
- |
50:50 |
200h |
国税徴収法 |
- |
100:0 |
150h |
酒税法 |
- |
60:40 |
150h |
ただし簿記論と財務諸表論のように学習範囲が重複している科目を同時に学習する場合には学習時間を短縮することができます。 |
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税理士試験の受験資格
税理士試験をには受験資格が定められており、学歴によるもの、職歴によるもの等があります。文系の大学を合格されている方や日商簿記1級に合格されている方は問題なく受験資格があります。
大学3年次以上の方等についても一定の要件を満たしていれば受験資格が与えられます。
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税理士試験の合格率、受験者数等(統計データ)
第58回(平成20年度)から第63回(平成25年度)までの主要税法科目の科目別の合格率は次のとおりです。
このように年によって合格率は結構異なります。ちなみに必須科目の簿記論と財務諸表論に関してはTACや資格の大原>等の受験専門学校の受験講座に申し込んで言われるままに地道にカリキュラムをこなせば誰でも合格できる試験となってます。それなりに高度なことも学習しますが全受験生が全カリキュラムを完全マスターして受験に挑む訳ではないため受験レベルとしては超簡単です。
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税理士試験に合格する方法
税理士試験の合格を目指すならば受験専門学校の利用は必須となります。その中でもTACか資格の大原>いずれかを利用するのが絶対におすすめです。なぜならば税理士試験は全受験生の上位10%~15%程度が合格する競争試験となっており皆が正答する箇所は同じように正答する必要があるからです。したがって受験生が少しでも多い学校を選んだほうが絶対的に有利です。
なお、おすすめするTACか資格の大原>は若干税理士講座の学習スケジュールが異なっています。整理すると次のようになります。
1年間で絶対に合格したい!という方にはTACの年内完結コースがおすすめです。年内完結コースではレギュラーコースが通常9月から4月までの8ヶ月間で学習する内容を4月から12月までの4ヶ月に圧縮して年内で全て学習してしまい、1月からは経験者と同じ演習をグリグリまわしてくというものでいまやTACの看板コースとなっています。
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税理士講座の受講料の割引制度
TACか資格の大原>それぞれの学校の税理士講座には受講料の割引制度があります。
うまく利用すれば受講料が最大40%ほど割引になるため知らないとかなり損です。また誰でも受講料を10%安くする裏ワザ的な方法もあります。
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税理士講座のパック申込の割引率等の比較
TACと資格の大原>それぞれの学校の税理士講座のパック申込時の受講料は組み合わせ等によって割引率(お得度)が異なります。それらを一定の条件のもとグラフ化し、どのような組み合わせがお得なのか比較してみました。
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税理士試験の学習の必要知識
税理士試験を受験する場合、通常はまず最初に簿記論又は簿記論と財務諸表論を同時に学習します。
その際、日商簿記検定2級の知識があることを前提として授業が進められますので日商簿記2級の知識は必須となります。日商簿記検定を未学習の方は次のようなスケジュールでまずは日商簿記検定3級から学習を進めて翌年の9月から税理士講座に合流するのがおすすめです。簿記検定についての詳細はこちらのサイトが詳しいです。
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税理士試験の受験計画
前述のとおり税理士試験は科目合格制で合格科目は一生涯有効という特徴があります。しかし、上位10%だけが合格できる競争試験という性格があるため、長期計画でほどほどの完成度で毎年の本試験に挑んでいてはなかなか合格することができません。
合格科目は一生有効ですが「短期間で合格する」という目標のもと毎年8月に実施される本試験で完全燃焼するくらいの意識をもって集中して受験科目の完成度を高めることが合格への近道となります。
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科目選択のコツ
税理士試験の受験生は、お仕事をされている方はお仕事をされていると寝ている時間以外、受験に専念されている方は朝起きて寝るまでずっと1年間受験科目のことばかりを考えなければなりません。
したがって科目選択のコツとしては実務で役立つような少しでも興味の持てる科目を選択するのがおすすめです。ただし実務で役立つ主要税法科目は全ての科目がボリュームが多いです。したがって受験時間短縮を考えるなら実務では役立たないがボリュームの少ない科目を選択するのも一つの手です。
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科目選択のパターン
税理士試験の科目選択を戦略的に行う場合には次のパターンのどれかにしておくとよいです。
実務で評価されるのは法人税法を合格していることと資産税である相続税法も合格してることです。この二つに合格してる税理士はかなり強いです!逆にいいますとこの両方の受験経験すらない税理士は税理士として半人前ですね。 |
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免除税理士
税理士試験には免除という抜け道があります。もともとは現役税理士が子供に事務所を世襲するのを容易にするため設けられた抜け道ですがはっきり言いまして実務経験が豊富な方以外が免除合格を目指すのはやめたほうがいいです。馬鹿にされるだけです。
そもそも税理士試験には高度な学習内容も一部含まれますが全受験生がそういった高度な学習内容をマスターして受験に挑むわけではなく基礎的部分を徹底マスターしてやることだけやってれば必ず受かる試験です。その試験から逃げて免除制度で税理士になったところで堂々と「自分は税理士です」と名乗れるんですかね?一生劣等感を感じますよ。
税理士としてただのゴミくずです。周りからもそういう目でしか見られません。ただし受験組より各段に税法に強く仕事もできるなら別ですがそんな人いませんよ。 |
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税理士試験に関する最新の情報
税理士試験に関する最新の情報に関しましてはTACと資格の大原それぞれの学校から資料を請求してご確認ください。受験指導のプロですのでそのほうが間違いもありません。資料を請求する場合には両方の学校から請求するのがおすすめです。受講生に対するサポート体制などが若干異なります。
手取り足取り教えてくれたり質問しやすい環境が整備されてるのは学校法人である資格の大原となります。受講生がピンキリなため誰にでも分かるようにテキスト類で厚く解説しているのも資格の大原です。ただしその分不要な情報も多いといえますが。逆にカリスマ講師と呼ばれる人がいたりテキストが要点だけまとまってるのがTACです。問題集の質も高いです。こちらのページでも詳しく解説しています。
個人的におすすめなのはTACです。ただし受験科目によっては資格の大原のほうが圧倒的に良い科目もあります。
おすすめ電卓
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EL-37Gは簿記・税理士・会計士受験生のために開発された学習用電卓で受験生の間で絶大な人気があるシリーズの最新電卓です。
メモリー機能、キーロールオーバー等、必要な機能を全て備えた上で、1秒間に20回の高速早打ちに対応しています。独特なのは「=」キーの操作回数を自動でカウンター表示する機能があり、これはかなり便利です。
適度な重量があり、作りもしっかりしています。SHARP製のため10年は余裕で使えます。これで値段5000円弱(使い方小冊子が無料で付属)はかなりお得です。ちなみにこの電卓は一般販売されていないためTACの窓口等でしか購入することができません。
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法人税法は所得税法と並んで税理士試験の最難関科目とされている科目です。法人税法は、将来税理士として仕事をしていくには絶対不可欠な知識であるため、同じく選択必須科目である所得税法より受験者数が毎年約2倍多いです。
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所得税法は税法科目で最も条文数が多く、法人税法と同様にかなり広い範囲から出題されます。計算の構造は法人税法と似ていますが、法人税法とは異なり、所得を10種類に区分するという特徴があります。
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消費税法は1989年から税理士試験の受験科目となっており、試験自体まだまだ歴史が浅く、条文数も少ないです。また簿記論財務諸表論に合格した受験生の大半が最初に受験する税法科目であるため、税法科目の中では受験生のレベルも比較的高くなく合格しやすい科目といえます。ちなみに毎年受験者数が1万人弱と最も受験者数が多い科目になっています。
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相続税法は1税法2税目という大きな特徴があります。条文数が法人税法などの半分程度と少なく、近年の本試験での出題傾向が安定しており理論の解答がベタでよいため、ハイレベルな戦いとなりますが努力が報われやすい科目となっています。
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住民税、事業税、固定資産税は地方税法を根拠法とする地方税です。住民税には個人住民税と法人住民税がありますが過去の本試験ではほとんどが個人住民税のみの出題となっています。法人税法や所得税法との関連が高いため学習をする場合にはこれらと同時に、またはこれらを学習した後にするのが理想的です。
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事業税は事業者に対して課される税金です。事業税には個人事業税と法人事業税があります。法人事業税にはやや話題性の高い外形標準課税が数年前から導入されており、税理士として実務をする上での使用頻度はそれなりに高いです。本試験では理論70点計算30点と理論に比重が置かれています。
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固定資産税は主に土地と家屋を課税対象とする財産税という特徴があります。固定資産税は地代や家賃相場に影響を与えるため、資産税に関するコンサルティング業務を行なう場合に役に立つ科目です。条文数が少なく出題傾向も安定しているため合格するためにはかなり精度の高い学習が求められます。
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国税徴収法は申告された国税が納付され負かった場合の滞納処分などの手続の執行について必要な事項を定めている法律です。税理士試験の出題としては例年理論だけの出題が続いており、合格するためには民法などの法律の知識が必要となります。したがって法学部出身の方には大きなアドバンテージとなります。
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酒税法は通常の税理士業務をする場合の実務での利用頻度ほぼゼロであり、消費税法とどちらかしか受験することができないため受験者数が毎年1000人弱とかなり少ないです。
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税理士講座を開講しているTAC、資格の大原>等の受験専門学校の特徴、比較についてはこちらをご覧ください。
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